対話主事便り15

“対話主事便り”より15
*ポピーのモニターのお仕事をされている方向けにお渡ししている毎月の情報から、子育て中の皆さんにも読んでいただきたい記事を紹介します。
*今回は2016年12~2017年2月に掲載されたものの一部を訂正、加筆して掲載します。

<子どもの本音>  
中3はもうすぐ公立の入試です。
そこで今回は、某予備校の生徒が親に言いたいことを自由に書いた中から、中学生にも当てはまることを載せます。(少し言葉を変えています)
親として、私がハッとさせられたものもありました。
・お母さん、身体壊さないで、お父さん、少し死なない程度に休んでほしい。
・今まで育ててくれて有難うございます。ご飯おいしくて力がつきます。
・イライラをぶつけたり、刃向かったり、いつも冷たい口調でごめんなさい。
・「勉強する」といって2階に上がっているが、実は寝ていてごめんなさい。
・勉強のことだけ話すのはやめて。他のことも話したいのに…。
・テストの成績をほめてほしい。「がんばったな」と言ってほしい。
・他の人と比較してほしくない。
・お母さんの焦った気持ちが伝わってきてしんどい。
・ため息をつかないでほしい。
・心配しすぎて過保護になると子供は成長しない。
・勝手に部屋に入ったり、カバンの中身全部出したりするのをやめてほしい。
・「勉強しなさい」とか「がんばれ」とか小言を言わないでほしい。
・成績は自分が一番悩んでいるのでそのことはあまり言われたくない。
・志望校下げろと言わないでほしい。

<最近聞いた心に響く話①>
「子どもの差ではなく親の差」
  10歳頃になると子どもたちの間にずいぶん差が見られますが、これは親の育て方の差が表れているだけです。子どものせいではありません。
「子育ては預かった命を育てさせてもらうもの」
  節目での感謝が必要です。日本ではお宮参りや七五三などの風習があり、健やかに成長していることを感謝しますが、成人式にも親も子も立派な大人になったことを感謝する必要があります。
「愛するという言葉以上の愛情表現」
  愛とはその相手のために覚悟することです。その人の生きざまの中で愛する相手に見せることが覚悟です。

<最近聞いた心に響く話②>
ほんとうに自己の最善を尽くしてみると、しみじみ人間はそれ以上のことは何もできないことがわかり、文字どおりやれるだけやって、あとはあすにまかせよう、という気持ちになる。
 すてぜりふではなく、あすにはあすの風が吹き、成るようにしか成らぬが、成るように成るのである。
 あすのことをくよくよと思いわずらうよりは、今日一日自己の最善を尽くて、事に当たることである。
 道はおのずから開ける。      ◆『平澤興 一日一言』(平澤興・著)

完璧な見通しなど絶対にない、まずは頭の中で考えるより先に「やってみる」ことが大切   村上和雄(筑波大学名誉教授/遺伝子工学の第一人者)

<最近聞いた心に響く話③>
こんな話を聞きました。
 お父さんが梯子にのぼって壁のペンキ塗りをしていたら、5歳の息子が
「パパ、おてつだいしようか」と。お父さんは、内心は邪魔になるし遊びに行ってほしかったのですが、
「ああ、頼むよ。梯子を押さえておいて」と。本当は押さえている必要はなかったのに。
 しばらくしてお父さんは隅の方を塗る小さいブラシを取りに行こうと思いました。このときも、
自分で取りに行った方が早いのに、5歳の息子に取ってきてもらうように頼みました。ブラシを取っ
てきた息子は戻ってくると、また、梯子をしっかり押さえました。
このようなことが何回か繰り返されましたが、息子は戻ってくるたびにしっかりと梯子を押さえました。作業が終わった時、お父さんが言いました。
「二人でうまく仕上げることができたね」
「うん、二人でやったんだね!」と、息子は誇らしげに微笑みました。
 この日、このお父さんはペンキ塗り以上の仕事を成し遂げました。それは、息子に“自分が必要
とされている人間”“仕事に対する責任ということ”“仕事をやり終えた時の喜び”を教えたことで
す。

本の紹介66

本の紹介66 
*2016,3月に発行されたものです。最新版はお母さんタイムでお渡ししています。
暖かくなってきました
 
年度末で何かと多用な時期です。そんな中ほっと一息ゆっくりと親子で本を読む時間を作ってはいかがですか?短い時間でも十分です。
*この1ヶ月に読んだ本の中から数冊紹介します。
<絵本> 
ちゃんいちにち  高木あきこ作 さいとうしのぶ画  リーブル(2008,1)
 とても楽しい数え歌です。大人が読んでも楽しい本です。
あかがいちばん  キャシ・スティンスン文 ロビン・ベアード・ルイス絵 ふしみみさを訳  ほるぷ出版(2005,11)
赤色の靴下をはくと高く跳べる、赤い上着を着ると…。赤が大好きな女の子の気持ちがよく表
れています。
おばあちゃんがおばあちゃんになった日  長野ヒデ子  童心社(2015,2)
  赤ちゃんが生まれてお母さんは大忙し。そこでおばあちゃんが手伝いに来てくれました。心が
ほんわかするようなお話しです。お孫さんがいる方にもお勧めします。
おかしなゆきふしぎなこおり  片平孝写真・文  ポプラ社(2012,11)
  面白い形に積もった雪や氷の写真をわかりやすい文で紹介しています。
さかさまさか  ピーター・ニューエル著 高山宏訳  亜紀書房(2015,10)
  上からでも下からでも読める本です。上下を逆にすると、見えなかった絵が見えてきます。
たったひとりの戦い  アナイス・ヴォージュラード作・絵 平岡敦訳  徳間書店(2000,3)
  赤の国と青の国の戦争は長く続き決着がなかなかつきません。そこで青の国の王子のファビア
ンは考えます。知恵を武器に戦った王子の物語です。
杉原千畝と命のビザ 自由への道  ケン・モチヅキ作 ドム・リー絵 中家多惠子訳  汐文社(2015,7)
  ナチスから逃れるためにやってきたユダヤ人たちの命を救うためにビザを発行し続ける父の
姿。息子の目から見た千畝を描いています。高学年から。

<高校生~>
幸せはあなたの心が決める  渡辺和子  PHP研究所(2015,9)
  ものの考え方によって生き方が変わります。生きる上で参考になる本です。141ページ

<大人向け>
始めませんか「弁当の日」  鎌田實・竹下和男  自然食通信社(2009,10)
  医師の鎌田氏と元校長の竹下氏の対談。タイトルは弁当の日ですが、著者が言いたいことは人の心の問題です。ぜひ多くの人に手に取ってもらいたい本です。177ページ
(2016,3,8)